自律神経とは何か?
自律神経は私たちが自分でコントロールできない生命活動を維持していくうえでとても重要な役割をしています。例えば、心臓を動かしたり汗をかいたり呼吸をしたりと、特にふだんから意識しなくても勝手に活動してくれています。心臓や呼吸が意識しなくて止まったら大変ですよね。つまり、私たちがふだん意識しなくても勝手に動いてくれているとても働き者な神経なんです。
そして、自律神経は2つに分類することができます。それが、交感神経と副交感神経になります。この2つの神経がうまくバランスを保つことによって私たちの生命活動がバランスよく保たれているのです。
交感神経とは
では、交感神経の主な働きからみていきましょう。
- 心拍数の増加
- 瞳孔を拡張する
- 発汗作用
- 気管を拡げる
- 胃腸の活動の低下
- 涙が出ない
などがあり、主に身体の活動を活発にする作用があります。そのため心拍数が上がったり内臓の働きを抑制したりするのです。また、緊張している時や怒っている時、ストレスを受けている時なども交感神経が活発になります。そして、交感神経は一日のうち、特に日中によく働きます。
副交感神経とは
副交感神経の役割は交感神経とは正反対になります。
- 心拍数の低下
- 瞳孔を収縮する
- 発汗を抑える
- 気管を縮める
- 胃腸の活動を活発にする
- 涙が出やすい
などです。交感神経は緊張状態で働くのに対して副交感神経はリラックスした時に働きます。また、副交感神経は夜から明け方にかけて働きが活発になります。
自律神経のバランス
簡単にですが、交感神経と副交感神経の役割をみていきました。そして、ここで大切なのはどちらかに偏りすぎてはいけないということです。よく、自律神経はシーソーに例えられます。このシーソーのバランスが崩れた場合、自律神経失調症という状態になります。特に現代社会においては、ストレスや不規則な生活のために交感神経が活発になりやすくなってしまいます。
だからどうしても、バランスをとるために副交感神経を活発にする必要があるのです。そして、交感神経の働きが強くなると無意識のうちにバランスを取ろうとします。例えば、イライラしている時に何か食べたくなったり、食後に眠くなったりするのがそうです。また、自律神経は朝方に副交感神経から交感神経にスイッチが入れ替わります。
ですので、ちょうどこの時間帯になると、身体のバランスを崩している人にとっては影響をうけやすくなります。(例、足がつる、しびれ、こわばりなど)
自律神経の調節
自律神経は無意識に活動しています。しかし、意識的に整えることもできます。その一番簡単な方法が「呼吸」です。これには、腹式呼吸や胸式呼吸、丹田呼吸などいろいろな方法があります。最初からいろいろやってしまうと難しいので、まずは「呼吸」を意識的に行うことです。
そして、その時に注意することは
1.必ず鼻から吸うことです。はく時は口でもかまいません。
2.吸う:はく=1:2の割合で行う。そして、はく時にはできるだけリラックスすること。
です。
特に朝起きた時や寝る前に行うと効果的です。その他にも、ほどよい運動や入浴など、自律神経のバランスを整える方法はあります。しかし日常生活のなかで改善できることはできるだけ改善していき少しでも自分の好きなことやリラックスできる時間を作ることが一番大切なのではないかと思います。